緑の学校 その

湿地の動植物 ――鎌倉中央公園――

 

 

10月1日、月曜日、台風一過の強い日射し、晴れ。

昨夜の嵐は、風の巻く音が怖かったですね。

 

「台風の後片付けで、緑の学校をお休みします」

というご連絡も何件かいただきました。

 

さて今日の緑の学校は、山崎の谷戸にある鎌倉中央公園で、

湿地の動植物を観察します。

 

 

鎌倉中央公園には、里山の風景とともに、

今や貴重な自然環境となった湿地が残されています。

 

 

その湿地に今、ツリフネソウ、ミゾソバ、オオミゾソバなどの花々が

いっせい開花し、深まりゆく秋を感じるもっとも美しい季節を迎えています。

 

 

カツラの木の林には、カラメルソースのような甘い香りがしています。

 

 

講師が葉っぱにかくれていたガガイモの実を発見! ユニークな形です。

 

 

ツユクサの花の構造をルーペで見たり、

 

 

 

チカラシバの草むらにイナゴを探したり、虫の声・野鳥の声に耳をすませたりして、

五感をはたらかせて自然観察します。

 

 

手をふる(たぶん怒っている)カマキリ君に別れを告げて、

緑の学校が終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

初秋の鎌倉広町緑地

 

 

9月3日、月曜日、曇りときどき小雨。

炎暑ともいえる夏が過ぎ、ようやく初秋の気配。

緑の学校の後期は、豊かな自然が残る「鎌倉広町緑地」からスタートです。

 

 

 

 

エゴノキの実を食べに来たヤマガラが、にぎやかに私たちを迎えてくれました。

 

 

朝がたの雨がつよかったので、山道はさけて、午前中は「きはちの窪」方面へ。

 

 

  

 

 

カラスウリ、ヤブミョウガ、イノコズチ、キツネノマゴ、キンミズヒキ、

タカサブロウ、シロバナサクラタデ・・・、

 

 

派手さはありませんが、瑞々しく潤った植物の美しさは格別です。

 

 

途中のウルシ林でウルシ科の植物の話を聞いたり、

 

 

ジュズダマの花の構造を詳しく観察したりして、気が付けばもうお昼。

 

 

午後の部は、ガマについてのお話からはじまり、

 

 

 

御所谷の田んぼや畑の周辺や川沿いを歩きました。

 

 

 

 

 

ツリガネニンジン、ツルボ、センニンソウ、アキカラマツ、タコノアシ、

ミズタマソウ・・・、

 

 

遠景に目をやると、タラノキが今を盛りに咲き誇っています。

 

 

雨が降ったりやんだりしましたが、オオシオカラトンボに別れを告げて、

本日の緑の学校は無事終了。

 

来月は鎌倉中央公園です。

さらに深まった秋の風情を愉しみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

鎌倉市の緑の現状

 

 

7月2日、月曜日、晴れ。

鎌倉といえば緑。

大仏様も、八幡様も、その背景には必ず緑があり、

緑なくしては鎌倉らしいイメージは成立しません。

この大切な緑はこれまでどのように守られ、

今後どのように保全されていくのでしょうか。

 

 

第5回「緑の学校」では、鎌倉市みどり課長を講師に迎え、

「自然と人・歴史が共生する鎌倉の実現」に向けての取り組みについて、

お話していただきました。

 

 

首都圏のベッドタウンとして住宅開発がすすんだ「昭和の鎌倉攻め」といわれた時代。

八幡宮裏山に開発の動きが出たとき、地元住民や文化人による反対運動がおこりました。

「御谷騒動」ともよばれるこの運動は、日本初のトラスト運動を成功させて開発を阻止し、

「古都保存法制定」のきっかけとなりました。

 

 

当時を伝える新聞記事です。

「京都、奈良にさきがけて、先頭を切ってアクションを起こしたことは、鎌倉の誇りです」

と、みどり課長。

 

 

 

昔とほぼ変わらずに残っている景観。

 

八幡宮はその背景とともに守られました。

 

 

「古都保存法」とともに鎌倉の緑を守ってきたのが「緑の基本計画」。

鎌倉らしさを保全するために、市民の協力によって多くの緑地を取得してきました。

 

 

三方が山に囲まれ、一方が海に開かれているという鎌倉の都市構造は、

中世のころとあまり変わっていない。

「『あんまり変わってないね』と言われるのは、鎌倉における誉め言葉です」とのこと。

 

 

市民グループによる活発な緑の保全活動もおこなわれています。

 

 

緑あっての鎌倉・・・。

鎌倉らしい景観はつねに緑とともにある・・・。

今後とも大切にしていきたいですね。

 

今回で緑の学校の前期は終了、8月は夏休みです。

よい夏をお過ごしください。

 

 

 

 



緑の学校 その

海辺を歩く

 

 

6月18日、月曜日、曇りときどき小雨。

第4回の「緑の学校」は、”海のある街・鎌倉"ならではの自然観察。

場所は、唱歌『鎌倉』に♪〜剣投ぜし古戦場〜♪と唄われた稲村ケ崎の海岸です。

 

 

講座のはじめに、

「このあたりの樹々はほとんどが常緑の照葉樹です。

 植物は、強い日射し、激しい温度変化、強い潮風や乾燥に耐えるべく、

 肉厚で光沢がある葉や長い地下茎をもつなど、海岸性植物特有の特徴をもって、

 過酷な環境を生きぬいています」

と説明がありました。

 

 

海岸の崖地から観察開始。

 

 

 

ハマボッス、ハマダイコン、ハマヒルガオ、ハマウド、ハマカンゾウ、ツルナ、

ボタンボウフウ、ラセイタソウ、ハマカンゾウ、タイトゴメ、コウボウシバ、

ハマエノコロ、イワダレソウ、ハマナデシコなどを観察。

 

 

稲村ヶ崎と七里ヶ浜の間に注ぐ音無川の河口。

例年は川底におりて、カニや小さな魚などの生きものも観察するのですが、

今回は増水していて無理でした。

 

 

 

午後からは、浜辺に漂着していた海藻を観察。

鎌倉の近海には300種前後の海藻が生い茂っていて、海の生きものをはぐくみ、

豊かな生態系に重要な役割をはたしているとのことです。

 

 

今日も講師の先生のナビゲートで、海辺の自然観察のおもしろさを

満喫していただけたのではないでしょうか?

心配していた雨も何とかこらえてくれて・・・、感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

緑との共生

 

6月4日、月曜日、晴れ。

 

日々の暮らしのなかで、私たちはどのように緑とかかわり、

緑からどのような恩恵を受けているでしょうか?

第3回の講座では、おもに緑の環境的役割について考えてみました。

 

 

湯浅先生のお話は、

「緑の環境的機能としては、CO₂の吸収が知られていますが、

鎌倉でもっとも多くのCO₂を排出しているのはなんだと思いますか?」

という問いかけではじまりました。

答えは「ヒト」。

 

 

鎌倉市民が排出するCO₂を吸収するためには、

直径30センチのオオシマザクラ45万本も必要だそうです。

 

 


人間は生きて呼吸しているだけで環境に負荷をかけているわけですが、

都市生活による自然環境の劣化は今、さまざまな問題をひきおこしています。

ヒートアイランド現象が問題となるこれからの季節、

緑は天然のクーラーとなってくれます。

 

 

 

対策の1つとして、屋上緑化や壁面緑化の例が紹介されました。

文化的にも心理的にも、私たちは緑からははかりしれない恩恵をえているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

新緑を楽しむ

 

 

5月14日、月曜日。

昨日の豪雨がウソのように、みごとに晴れわたりました。

燃えるような緑に包まれて、佐助稲荷から源氏山公園へと歩き、

今年度はじめての自然観察会を行いました。

 

 

鎌倉らしい筑地塀をながめながら佐助隧道へ。

 

 

 

 

隧道を抜けた崖地では、イノデ、ゼンマイ、ミゾシダ、リョウメンシダ、ホウライシダなど多くのシダ類や

カラムシ、イヌショウマなどを観察。

 

 

 

塀の上にこぼれる花や門構えの風情を感じつつ佐助稲荷神社へ。

 

 

 

 

1年中水位が変わらないといわれる佐助稲荷の霊狐泉。

この水は佐助川からやがて滑川へと流れます。

 

 

リョウメンシダやジュウモンジシダを観察しつつ、銭洗い弁財天方面へ。

 

 

 

 

この崖にはスイカズラとテイカカズラが咲いていて、風にのって上品なよい香りがながれてきます。

 

 

源氏山に到着。

 

 

昼食のあとは、自然観察で使うルーペや双眼鏡、図鑑の話。そして解散場所の巽神社へ。

 

 

高い木のてっぺんからアカボシゴマダラ(夏型)が、帰途につく「緑の学校」を見送ってくれました。

おつかれさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

鎌倉のサクラ

 

 

4月16日、月曜日、晴れ。

 

平成30年度の「緑の学校」がはじまりました。

 

 

第1回目のテーマは「鎌倉のサクラ」。

講師は、『花おりおり』の著者、湯浅浩史先生です。

講義は50枚を超える美しいサクラの画像からはじまりました。

 

 

 

 

鎌倉の山を歩くとよく見られるオオシマザクラとヤマザクラ。

 

 

 

 

サクラの種類の見分け方。

 

 

鎌倉が発祥の地と言われるオオシマザクラ系の八重桜、「普賢象桜」のことなどなど。

 

 

後半は、「田の神様のとどまる場所」という「サクラ」の語源から、

花見の起源まで、興味のつきないお話がありました。

 

来月は自然観察。新緑を楽しみつつ、鎌倉らしい植生を見て歩きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校OBたちのスキルアップ自然観察会

早春の鎌倉中央公園を楽しむ

 

 

3月19日、月曜日、くもり。

 

鎌倉の「緑の学校」を修了した人たちは、年ごとにOB会を結成し、

卒業後も自然観察会を続けています。

 

 

そして毎年1回、会のリーダーたちが集まって情報交換をしたり、

日ごろの自然観察力を深めるためにスキルアップ自然観察会を行っています。

今年は、早春の息吹を楽しみつつ、鎌倉中央公園でスキルアップ自然観察会を行いました。

 

 

五感はフル活動。

エナガやシジュウカラ、コゲラの声が聞こえてきます。

 

 

 

 

タチツボスミレ、キランソウ、カテンソウ、ヒメウズ・・・、

あまり目立ちませんが、可憐な花を咲かせています。

 

 

 

 

 

講師からは、鎌倉の自然の特徴、ハコベ属の種類や構造、ネコノメソウ属の話がありました。

 

 

おつかれさまでした。

 

把握できているだけで現在、12の会、のべ218名の人たちが活動中。

すごい数の人たちが、毎月のように、鎌倉や周辺の自然に強い関心をもって歩いておられる。

その事実に驚かされます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

鎌倉の紅葉 ――卒業遠足――

 

 

 

12月4日、月曜日、晴れのち曇り。

「緑の学校」では、この1年間、鎌倉の山、海辺、湿地などへ出かけて、

自然を観察してきましたが、今日はその最終回です。

ともに学んだ仲間とともに、紅葉のピークを迎える「獅子舞・天園ハイキングコース」へ、

卒業遠足に出かけました。

 

 

史跡永福寺跡で、今日歩くくコースの見所を聞きます。

 

 

ハイキングコースに入り、二階堂川の源流を遡ります。

 

 

オリヅルシダ、ノコギリシダ、ジュウモンジシダ、リョウメンシダ等々、このあたりはシダの宝庫です。

ここを越えると・・・・、

 

 

 

見えてきました、燃えるような紅葉!

今年の鎌倉では、2度の台風によって、潮風でやられてしまったモミジも多いのですが、

獅子舞の紅葉はみごとです。

 

 

山の上からの眺望。コナラも黄葉しています。

 

 

お昼を食べた後、尾根道を下ります。

 

 

朝からよく歩いたので、みなさん少々疲れてきた頃かと思いますが、

フユイチゴのかわいい実を見ると、元気がでますね。

 

 

今年の「緑の学校」の最後を飾ってくれたのは、ヤクシソウ。

 

「『緑の学校』の修了は、自然に親しむ生活のはじまりです」

本年度の「緑の学校」を締めくくる、講師の言葉でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



緑の学校 その

源実朝の『金槐和歌集』の花と緑

 

 

11月20日、月曜日、晴れ。

今日は、湯浅先生の本年度最後の講義です。

鎌倉幕府3代将軍、源実朝が編纂した『金塊和歌集』をとりあげ、

歌集が生まれた背景や、歌から読み取れる鎌倉の古環境をたどりました。

 

 

鎌倉・室町・江戸幕府を通して、39人の将軍がいるなかで、歌集を編纂したのは源実朝ただ一人。

世界的にも稀有な例とのことです。

湯浅先生のお話は、『金槐和歌集』成立の背景からはじまりました。

 

 

若くして将軍の位につき、母・政子や周囲の人間に従わざるをえなかった人生。

そのことへの反抗と、周囲の反対を押し切って京からもらった嫁がもたらした京文化への憧れ。

『新古今和歌集』に父・頼朝の歌が2首入っていることや藤原定家の影響等々。

実朝が歌の世界にのめり込んでいった、背景や境遇を考えると、

鎌倉時代に生きた実朝のことが、とても身近に感じられます。

 

 

また、歌は当時の植生や地形を知るための一級の資料になる、というお話もありました。

〜鶴岡仰ぎてみれば嶺の松 こずゑ遥かに雪ぞつもれる〜

〜八幡山木たかき松にゐる鶴の はね白妙にみ雪ふるらし〜

〜梓弓磯べに立てるひとつ松 あなつれづれげ友なしにして〜

などの歌をとりあげて、その当時の鎌倉の古環境(古植生や古地形)をふりかえってみました。

 

金槐和歌集に詠まれた植物から、サクラ、マツ、ウメ、ハギ、ヤマブキなど、

実朝が愛でた大倉御所の庭の風情を想像し、実朝自身の人柄に思いをはせることにも面白さを感じました。

 

本年度の緑の学校は次回で最終回、自然観察「鎌倉の紅葉」です。

お別れ遠足を楽しみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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